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    【2022年ローマ観光】おすすめ現代美術館!未来派ジャコモ・バッラの家!


    2021-11-03

  •  

    芸術家のお宅訪問(ジャコモ・バッラの家)

     『会期延長 2022年12月31日まで』



    作品「イタリア人民の手」の置かれたサロン

     

    Buongiorno!

    イタリア政府公認旅サポート、マジカ️イタリアの ミミ です

     

    古代ローマ時代から世界の文化の中心となり、様々な時代の遺産が何層にも重なっているのが魅力のローマですから、少ない滞在日数をやりくりして全てを見るのは本当に大変です。

    現代美術まで手が回らないという方も多いことでしょう。

     

    でも、でも、実はローマには すばらしい現代美術館がいくつかあるのです。

     

    その中の1つがMAXXIです。

     

    現在公開中の未来派・ジャコモ・バッラの家は、20世紀の美術の最先端を生きた芸術家の家としてとても面白いので、今日はそれをご紹介したいと思います。

     

    ジャコモ・バッラの家のあるオスラヴィア通り

     

    切符は同時開催中のバッラの展覧会を行っているMAXXIの入場券とセットになっています。

    バッラの住んだ家は、MAXXIとはテベレ川を挟んで反対側にあるプラティという地区で、東京で言うなら、世田谷のような感じでしょうか、山手の住宅地という感じ。

    でも、この地域の開発された1920年代末から30年代初にかけては、地方からやってきた家のない人々に安い家賃で貸し、最終的には購入できるようなシステムだったそうです。

    そうしてバッラが手に入れた家が特別に公開中というわけです。

    会期は11月21日まで。

     

    ジャコモ・バッラは約100年前未来派の名乗りを上げた芸術家の1人で、未来派のリーダーといっても過言ではないでしょう。

    彼の多くの作品は、画面いっぱいに光を集め、大変美しい多色使いの幾何学模様を用いた絵です。

     

    1910年ごろから、動きやダイナミズムを絵画の中に取り入れようとし、1914年にはマリネッティの提唱した未来派に署名しました。

    この時点で彼の芸術家としての評価が大きく変わってきます。

    イタリアでは同じ未来派のボッチョーニなどとともに代表とされ、美しい色彩のもとに動きを取り入れた絵画が試みられることになります。

    そしてボッチョーニの死後、未来派の中心をミラノからローマに呼び寄せたと言ってもいい功績を残したのです。




    バッラは当時8歳だった娘のルーチェがテラスで走り回る姿を1枚の絵の中に描き込みます。

     

    「バルコニーをかける少女」

     

    明るい光の中で、軽い足取りで子供がテラスを走り回るのを、芸術家の父親の視線は連続写真のように捉え、大変美しく暖かく表現しました。

    まだここには1800年代末の点描の名残も見られます。

     

    公開中のバッラの家には、 このモデルとなったルーチェの部屋もあります。もっともこの家に越してきたのは1929年のことなので、バッラは58歳、ルーチェももう立派な大人でした。

     

    表札にはバッラのサインが

     

    扉の表札には金属の板でFuturo Balla と書かれています。

    これはサインがわりに作品に描かれたものでこの表札を見た瞬間にファンは心踊るのではないでしょうか?

     

    未来派の廊下

     

    一歩足を踏み入れると廊下はパステル調の幾何学模様で装飾された、バッラの世界が広がります。この時代、彼が描いていたスタイルで、家全体がとても明るく感じます。

     

    一方、彼がこの家に引っ越してきた時代は、イタリアはファシスト政権の真っ最中にあります。

    多くの芸術家も それに傾倒していきます。

    サロンにはその当時の彼の代表作でもある「イタリア人民の手」(1925)という大作も残されています。

    家中のインテリアのコンセプトが未来派なので、サロンの床は薄紫色のタイルが敷かれていて、床の色と作品とのコントラストがとても美しくため息。

    そして彼がコレクションしていたというたくさんの譜面台が三次元的アクセントとなっていました。

     

     

    天井のライトも当時の未来派の意を酌む手描きのライト。

    100年後の目で見る「未来」派は、その言葉のもつ冷たさと裏腹に、ちょっとユーモラスで暖かくも感じます。

    この家に彼らが越してきてすでに90年経っているのですからそれも当然でしょう。

     

    ルーチェの部屋の天井には見事な未来派的デザインが。

     

    彼にはルーチェのほかエリカと言う娘もいました。

    ルーチェは父の教えを応用芸術の中に、そしてエリカは外へ向けて芸術家としての活動を行っていきました。

    エリカは宝石店で有名なブルガリの創始者の肖像を描いたこともあったそうで、今でも何点かがブルガリコレクションになっているそうです。

     

    バッラデザインの未来派のバッグ。素敵すぎる〜

     

    ローマ出身のファッションブランドの創始者でもあるラウラ・ビアジョッティ夫妻はバッラ作品の蒐集家であったことも知られています。

    バッラをテーマにしたファッションショーも行ったほどなのです。MAXXIで行われているバッラの展覧会はラウラ・ビアジョッティのコレクションの作品も多く展示されています。

     

    「バッラは、現在のイタリアファッションを産んだ。」

     

    ともラウラ・ビアジョッティは語っています。

     

    バッラの2人の娘たちは、ラウラとも交友を持ち、後の世界に父の芸術を伝えることはもちろん、父のパッションも伝え、後世の我々に父の芸術の遺産を伝える大きな役割を果たしたと言われます

     

    バッラのアトリエは、別名赤いアトリエとも言われる。

     

    なんと言っても圧巻は、バッラのアトリエです。

    その力強い芸術エネルギーが今でも宿っているような錯覚を起こす部屋です。この部屋からこの家中に、そして外の世界へと拡散していった小宇宙のようなもの。

    小さな部屋なのですが、うかうかしていると圧倒されそうな部屋は、ショッキングとも言えます。

     

    キッチンも、バスルームも芸術が支配している不思議な空間。父バッラだけでなく、2人の娘を包み込んだ芸術の家は、現在イタリア銀行が所有しており、次はいつ公開されるかわからないものです。イタリアの未来派を、そして20世紀のイタリア美術を解き明かす上で、とても貴重な資料となっています。

     

     

    バッラのお家訪問は、バッラの作品をもっと知りたいなと思わせる、素敵な時間でした。

     

     

    バッラの家は間もなく公開を終了しますが、ミラノのノヴェチェント美術館や、ヴェネツィアのグッゲンハイム美術館、ローマの国立現代美術館にも作品が収容されています

     

    どの美術館もイタリア現代美術をなかなかだな〜と見直させてくれると思います。

     

    A presto! 次回もお楽しみに。

     

    マジカ️イタリア、ミミ

     

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    是非ご利用ください!!

     

    (ローマ・MAXXI) https://www.maxxi.art/

    (ローマ・国立現代美術館) https://lagallerianazionale.com/

    (ミラノ・ノヴェチェント美術館)https://www.museodelnovecento.org/en/

    (ヴェネツィア・グッゲンハイム美術館)https://www.guggenheim-venice.it/


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