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    【イタリア】イタリアワインの紹介 第3回目はフリウリ=ヴェネチア・ジュリア州


    2021-07-12

  • みなさん、こんにちは。

     

    イタリアソムリエ協会(現FIS)のマスター・ソムリエ、及び、政府公認ガイドの資格を持っている うしお ゆにこ です。

     

    イタリアワインの紹介、第3回目は、フリウリ=ヴェネチア・ジュリアです。(以下フリウリと略します)



    イタリアの北東部に位置するフリウリは、観光地としては日本では知名度がやや劣るかも知れませんが、スロヴェニアに突き出た州都トリエステ、中世初期は非常に重要だったアクイレイアの大聖堂、食通には、パルマよりも香り豊かな生ハムの産地サン・ダニエレなどがあり、チーズも大変美味しく、何度もイタリアを訪れた方には、趣向をちょっと変えて、是非。





    さて、イタリアで最も良い白ワインを造っている州はどこ?と聞かれたら、多くの人がフリウリと答えます。

     

    白ワインが生産の7割を占め、品質はイタリアでダントツ!




    ということで、フリウリのキーワードは、

     

     白ワインの品質はイタリア1!

     

     皮の漬け込みをしたものなど、濃厚な白ワインも多い

     

     オレンジワインや、素焼きの壷を使ったワインが面白い

     

     デザートワインに希少ワインもある

     

    です。





    さて、イタリアは、非常に多くの土着品種があるのですが、困ったことに(笑)フリウリにもたくさんあり、なかでも最も有名な品種が、フリウラーノ です。

     

    ちょっと話は逸れて、ハンガリーに、「トカイTokaji 」という有名なデザートワインがあります。

    フリウラーノ は、その昔は、トカイTokai と呼ばれていました。

    ハンガリーのワインの「トカイ」(品種はフルミント)と、フリウリの品種の トカイ。

    ワインと品種で全然違うのですが、裁判になり、残念ながら負けたのが、フリウリの方(涙)。

    そこで、2007年から、トカイの品種表示はできなくなり、以来、主に フリウラーノ と呼ばれることになりました。

    もし、すごく古いボトルがどこからか出てきたら、きっと トカイ と明記されていますよ。

     

    さて、この トカイ、おっと、フリウラーノ、ほろ苦いアーモンドやミネラルが香りよく、非常に人気の高い品種です。しっかりした味わいのサン・ダニエレの生ハムでも負けません。もちろん魚介類にも合わせられます。




    イタリアではおなじみ、ピノ・グリジョ も、普通の白ワインではなく、最近流行りのオレンジワインを探してみるのも面白いです。これでちょっとワイン通!

    ピノ・グリジョ は灰色ぶどうなので、(赤ワインのように)皮との漬け込みをして造ると綺麗なオレンジ色になります。

     

    フリウリは特に、皮を漬け込んで造ったり、(少し専門的ですが)澱と長く接触させるなどして造った白ワインの多いところです。

    こうやって造ったワインは、深い色合いの黄金色になります。

     

    また、今では他の州でも見られる、アンフォラ(素焼きの壷)を使って造ったワインの発祥は、フリウリです。オレンジ色がかった色合いを帯びたワインになります。

     

    これらのワインは、味も香りも濃厚で、独特な味わい、個性を持ったものになります。

    白ワインなのに、(赤ワインのように)長期熟成に向き、むしろ数年経ってからの方が味わいが良いくらいで、魚介類より白身の肉に合うワインです。




    それから、忘れてはいけないのが、ピコリット

    ところで、ピコリットは、「COF ピコリット」が、フリウリの4つあるDOCG(保証付原産地統制呼称)ワインの一つです。地域名が入ったCOF ピコリット・チャッラも同じくDOCGです。

    COF「コフ」は、コッリ・オリエンターリ・デル・フリウリの略で、フリウリの東側の丘陵地帯にあたり、非常に良い生産地域です)

    この品種は、結実不良を起こし、受粉が難しく、一房に少ししか実がつきません。

    そこで、自然とぶどうの糖度が上がり、甘いデザートワインになります。

    珍しい品種なので、あまりお目にかからないと思いますが、アカシアの花やはちみつの香りを含み、食後の余韻を楽しむのに、是非ピコリットでグラスを傾けてください。



     

    世界的にも有名な、歴史的、フリウリの名ワイン。10年以上経っても十分飲める。





    その他、まだまだ多くの土着品種があるのですが、このくらいにして、フリウリの、あと3つのDOCGワインをご紹介します。

     

    ラマンドロ  ヴェルドゥッツォ・フリウラーノ という品種で造られ、甘いデザートワイン。フルーツタルトなどと一緒にどうぞ。

     

    ロサッツォ  フリウラーノ と他の品種をブレンドしたワイン。野菜ふんだんの料理、魚介類などに合わせてみてください。

     

    リソン  お隣のヴェネト州にもかかるDOCGで、この辺りでは、品種は タイ(トカイのこと)が主体。生ハムや魚介類などに合います。




    以上、最近は、単一品種のワインが人気がありますが、実はフリウリの伝統的なワインは幾つかの品種をブレンドしたもの。そこで、「ワイナリーの味」が出ている看板ワインも楽しんでみてください。





    また、フリウリにはもちろん赤ワインもあります。

    土着品種に、スキオペッティーノ(白胡椒の香りを含む)や レフォスコ(森の木の実の香りが綺麗)など、まだまだたくさんあるのですが、白ワインに飲み飽きたら(笑)おすすめです。



    では、また。次回もお楽しみに。

     

     



     


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