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    【2021年・ブログバーチャル観光】フィレンツェ 洗礼堂の近くにある3本の柱


    2021-02-18

  • 洗礼堂の北側にサンザノビの柱と呼ばれている白い大理石の柱があります。

     

     

    サンザノビはフィレンツェで最初の司教で、4世紀の半ばにフィレンツェで生まれました。

     

    裕福で権力のあるのジロラミ家(Girolami)出身で、旧市街のランベルテスカ道りに家をもっていました。

     

    ここには現在でもジロラミ家の片隅(Canto de’Girolami)と言う碑が残っていて、彼らに捧げられた通り、ジロラミ通り(Via de’Girolami)も残っているので重要な一族であったことがわかります。

     

    サンザノビは幾つかの教会(例えばサンロレンツォ教会)を建て、さらにはフランス人の巡礼者の息子を生き返らせたなど、色々な奇跡も起こしました。

     

    そして417年から429年の間に亡くなります。

     

    伝説によると、聖人の遺体を420年にサンロレンツォ教会からサンタレパラータ教会(現在のドゥオーモができる前にあった小さな教会)に運んでいる時に、サンジョバンニ広場に一本の枯れたにれの木があり、遺体を入れたお棺がこの木に触れた突端に、木に葉がつきだしたと言われていいます。

     

    この奇跡の話はアカデミアび美術館にあるリドルフォ・デル・ギルランダイオの絵にも描かれています。

     

     

    その木はその後何百年もありましたが、イベントを記念して、最初の柱が御影石で作らました。

     

    しかし、1333年の洪水で傷んだ為、現在残っている白い大理石の柱に作り替えられました。

    しかし実際に彼の遺体が運ばれたのは9世紀くらいであったとも言われています。

     

    現在、彼の遺体はサンタ・マリア・デル・フィオーレ教会のロレンツォ・ギベルティが作った壺の中にあります。

     

    もう2つの柱は、洗礼堂の天国の扉の両脇にある斑岩の紫色の柱です。

     

     

    斑岩はとても貴重な石で、当時のフィレンツェではとても珍しい大理石でした。

     

    ↑拡大した写真。

     

    フィレンツェとピサはずっと敵対関係でしたが、1117年にピサの町がフィレンツェの町にこの2本の柱を贈ります。

     

    これはバレアレス諸島(スペインのマヨルカ島)にてサラセン人の海賊(イスラム教徒)と戦っていたピサ共和国をフィレンツェが助けて勝利を導いたお礼に贈ったものです。

     

    この2本の柱はマヨルカ、ミノルカからの戦利品でとても光沢があったため、その反射で法で罰せられなかった人達の顔が見えるという特別な柱でした。

     

    フィレンツェ人はこれを、まずアルノ川を船で運び、そこから壊さないよう注意してさらに運んだ末には、大きなお祭りを行う予定でした。

     

    ところがフィレンツェ人が着いた柱を見ると実際には罰せられなかった罪人の顔が見えるわけでもなく、くすんだ色の何も反射しない柱だったのです。

     

    何故ならばピサ人はいやいやこの光沢のある柱を贈ったので、フィレンツェに船で運ぶ前の日に、この柱の周りに大きな火を焚いてその輝きを消してしまい、反射しないように、何も見えなくなるようにしてしまったのです。

     

    これは贈り物ではなくて詐欺である、と言うことでこの2つの都市の間に根深い憎しみが生まれてしまいました。

     

    2世紀たってもフィレンツェ人の怒りは収まらず、1362年にフィレンツェ軍がピサの港を征服したときに、港の大きな2つの錨をフィレンツェに運び、この2つの柱にかけておきました。

     

    ここからフィレンツェ人は、ピサ人をめくらで裏切り者だと言うようになったそうです。

     

    そう言われてみれば現在でも2つの都市のライバル意識は残っているように感じられますね。

     


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