【マドリッド】首都を襲い、記録的豪雪をもたらした冬の嵐「フィロメナ」 みゅうマドリッド みゅうバルセロナ ブログ記事ページ

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    【マドリッド】首都を襲い、記録的豪雪をもたらした冬の嵐「フィロメナ」


    2021-01-12

  • 現在、1月12日火曜日12時、太陽が照り付けて気温が上がってきて、ようやく零下1度になりましたが、未明の最低気温は零下10度でした。ここは北欧ではありません、マドリッドです。

     

    スペイン半島を北上した非常に強烈な低気圧「フィロメナ」(こちらではサイクロンや台風に名前を付けますが、この低気圧にはFilomenaという女性の名前が付けられました)がもたらした冬の嵐は半島中央部、特にカスティーリャ・ラ・マンチャ州とマドリッド州に記録的な量の雪を降らせ、厳しい寒気をもたらしました。

     

    マドリッドでは先週木曜日の昼頃から降り始めた雪が土曜夜まで降り続き、スペインの首都は未だかつて経験したことのない大雪に見舞われました。日曜に雪は止みましたが、寒気が強まり、月曜夜から今朝にかけての冷え込みは半端ではありません。この寒気団は15日頃まで居座るらしいです。

     

    8日、金曜日の朝は、数センチくらい雪が積もって、テラスが雪で覆われいてるのを見て、ちょっと嬉しくなる程度でした。

     

    金曜日は終日雪、夜も降り続きました。

     

    9日、土曜日の朝、起きてびっくり。自宅テラスのドアを開けるとこの景色。

      

    朝の犬の散歩に自宅のある建物の玄関を開けると、目の前に30センチほどの新雪が積もって踏み出せない。

    歩道も車道も区別できず一面雪に覆われていて、見えるのは前輪駆動かスノータイヤの車が通った轍だけ。

     

     

     

     

    引き続き雪が降り続ける中、愛犬を励ましながら雪の中の散歩を終え、家に戻ってテレビをつけると・・・・

    道路:首都環状線をはじめ、多くの幹線道路では金曜夜からの豪雪で除雪が追い付かず、数千台の車が立ち往生。物流を担う大型トラックは走行不可能となり各地のパーキングで足止め。

    空路:金曜夜からマドリッド空港は滑走路が雪のため閉鎖。全便キャンセルとなるも、空港から出る交通機関もなく、多くの乗客が空港で足止め。

    鉄路:高速鉄道、遠距離・中距離鉄道、近郊鉄道、すべて運休。

    市バス、タクシー、Uberなどのサービスすべて運休。

    地下鉄:唯一稼働できる交通機関が地下鉄だったので、エセンシャルサービスに従事する人々の足を確保するために、この日は夜間も止めず、24時間運行させることを地下鉄公団が英断。

    スーパー、商店、飲食店などほとんどが閉まっている(スタッフがたどり着けない+必要物資が届かない)

    除雪:地方自治体による除雪作業が早朝から行われているが、追い付かず。軍隊のUMEと呼ばれる緊急事態特別チームも出動し、救急外来などを含む公共医療施設へのアクセス確保、幹線道路の確保、物流システムの確保などを優先して除雪作業を24時間体制で実施。

    病院・救急車:道路が雪で覆われ、特殊車両の救急車以外は稼働できない状況の中、市民の中で4x4車両を所有するボランティアの人たちがSNSを通じてプラットフォームを作り患者や医療関係者の輸送を行う。病院などで働く夜勤明け医療関係者、交代要員が雪で到着できず2日続けて勤務に当たる人がいたり、自宅から勤務先病院までスキーで駆け付ける人がいたり、ボランティアの4x4で駆け付ける人もいたり。もともとコロナ患者が溢れている病院、雪や凍った道路などで転倒してけがをした急患が殺到する中、医療関係者の方々の努力とボランティアの人々の善意に頭が下がります。自分にできることは、転んでけがをしたり、コロナに感染したりして医療関係者に負担をかけないように努めること、と肝に銘じました。

     

    マドリッド市長さんは不要不急の外出を控えるよう呼びかけますが、こんな凄い雪を見たことのない(多分これから先も見られない)マドリッド市民は、子供たちはもちろん大人まで外に繰り出して、辺り一面に膝より高く積もった雪で雪遊びに興じていました。気持ちは分かりますけど、転んでけがしないでね!

     

     

     

    10日、日曜日の朝には嵐が去り、青空に太陽が輝きましが、寒波が強く、気温は零下のまま。昨晩の降雪で、積雪量はさらに増えています。

     

    昨日に引き続き、地方自治体や軍隊による除雪作業が続けられ、一般市民は自分にできる範囲で雪を除けていますが、遅々として進みません。

     

     

     

    11日、月曜、晴天ですが、朝の気温は零下のまま。

    州政府は12日の月曜から1週間、学校の休校と公共の文化施設やスポーツ施設の閉鎖を決定。

    除雪作業が進み、状況は少しずつ改善。空港が再開、鉄道も再開。幹線道路も少しずつ片側1車線で再開。

    物流は未だで、スーパーなどは開いているけれど、生鮮食料品などの棚は空っぽ。

    スペインの物流の中心であり、日本の豊洲市場に次いで世界で2番目に大きい、メルカ・マドリッド(マドリッド市場)の火曜日再開のため軍隊が出動して除雪に当たります。

     

    12日、火曜、晴天ですが、引き続き朝の気温は零下。

    犬の散歩に出かけた時、近所の八百屋さんの前にトラックが止まっているのが見えました。店の方が店先の雪を除け、果物や野菜を降ろしています!メルカ・マドリッドが再開したんだ、よかった! たくさんの人々の努力で、こんなにも早く物流が回復したことに、感謝!

     

     

    「フィロメナ」がもたらした今回の大雪。3日間降り続き、50センチを超える積雪にも拘わらず、大きな混乱もなく、少しずつ普通の生活に戻りつつあるのは、コロナによるテレワークや自粛ステイホームの時期にあったことが幸いしている点もあると思いますが、多くの人々の善意と努力の賜物だと感じました。

     

    Lucymama

     

     


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