20世紀の文学の中心にあったカフェ:Café de Flore, Les deux Magots そしてLippe みゅうパリ ブログ記事ページ

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    20世紀の文学の中心にあったカフェ:Café de Flore, Les deux Magots そしてLippe


    2014-08-04

  • パリで最も古い教会のひとつ、サンジェルマン・デ・プレ教会を背にして、ブルヴァード・サンジェルマンの道を進むと、そこには20世紀の半ばまでフランス文学の中心地であったカフェが今でも営業しています。もっとも有名な二つは、Café de Flore(カフェ・ドゥ・フロール)と Les deux Magots(レ・ドゥー・マゴ)です。

    Les deux Magotsが文学の中心地となり始めたのは、20世紀のフランス現代詩を代表するランボー、ヴェルレーヌそしてマラルメがそのカフェの常連になることから始まります。

    現代詩人のたまり場は、やがて芸術家をもひきつけ、シュール・レアリストの中心人物アンドレ・ブルトンもこのカフェの常連になりました。

    実存主義を提唱したサルトル、フェミニスムを構築しつつあったシモーヌ・ボーボワール、エロティシズムを著したジョルジュ・バタイユというそうそうたるフランスきってのインテリは、Les deux Magots のすぐに隣にあるCafé de Floreにあつまりました。そのようにして、この界隈は、当時のフランス文学の黄金時代を築くことになりました。

    「朝の9時からカフェに集まり、昼の12時まで仕事をし、そして昼食をどこかに食べに行く。午後2時に戻ってきて、今度は友人たちと午後8時までおしゃべりをする。夕食をとった後は、約束をした友人をカフェで迎える。そんな風にして、Café de Floreはあたかも私たちの家のようだった」

    とサルトルは当時を振り返っています。いまでも彼らが自らの考えを練り上げたカフェで、当時の雰囲気を楽しむことができます。

    この二つのカフェにたいして、ブルヴァード・サンジェルマンを挟んだ向かい側になるのが、ブラッスリー・リップです。19世紀後半に、レオナード・リップによって開かれたこのレストランは、多くの文学人に好まれた場所でした。Les deux Magotsの常連だったヴェルレーヌを初め、プルースト、アンドレ・ジッド、星の王子様の作者サンテグジュペリ、カミュはこの店の常連だったといわれています。

    このブラッスリー・リップには面白い話が残っています。その人の知名度によって案内される場所が違うというのです。

    著名人は、天国といわれる一階の玄関に近い場所に案内されます。あまり有名ではない人は、一階の奥、煉獄といわれる場所に案内され、全くの無名なひとは、二階席に通され、そこは地獄と呼ばれていました。

    あるとき、ベルギーの王様がお忍びでやってきたとき、誰も気づかず、二階席に通されて、王様はたいそう怒ったという話が残っています。また、クリントン米大統領もリップに行きました。もちろん、天国に通されたのですが、かれは、リップの名物のシュークルートとコカコーラをたのんだそうです。フランス人にしてみれば、非常にアンバランスな組み合わせだったので、アルザスの白、リースニングをお勧めし、たいそう気にいったそうです。

     そうそう、シュークルートといえば、アルザスの伝統料理です。一度本場で食べてみたい、という方は、ぜひみゅうのアルザス号にご参加ください!

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