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    ドイツの赤ワイン、ドルンフェルダー


    2016-05-10

  • ドイツワイン・・・とくれば、白ワインが思い浮かびませんか?ライン川沿いに広がるぶどう畑・・・。白ワイン用ぶどうだけが頭の中に浮かびます。ドイツ全体では、まだ白ワイン用ぶどうの生産量が圧倒的に多く、その中で、赤ワイン用は約2割程度です。これも、ドイツの風土からすると、利にかなっています。なにせ、フランスやイタリアのような、燦々とした輝く太陽を望めない、ぶどう栽培の北限地ドイツ。果皮に十分な色素が必要な、赤ワイン用ぶどうを栽培するのは、容易ではないのです。そこはドイツ人、日々の努力とその技術力で、品種改良。まるで、日本のお米のようです。元来温暖な地方で栽培されていたお米が、北の地、東北や北海道でも、生産され、それも “おいしい“ お米が食べられるようになりました。努力と技術!ここでも、日独の共通点、そして強みを再確認しました。

    本題に戻りますが、今回は、濃厚な赤ワインと言うテーマで、“ドルンフェルダー“ にクローズアップ!

    なぜ、ドルンフェルダーにスポットを当てるかと言うと、ドイツ赤ワインの定番の1つ(赤では、シュペートブルグンダーに次ぎ2位の生産量)で、庶民的お手頃価格である事。 赤ワイン好きドイツ人は、だいたい、ワイナリーから箱で “大人買い“ します。かく言う私も、大の赤ワイン好き。大人買いしている知り合いの晩酌に付き合い、ワイナリー直送のドルンフェルダーを、事あるごとに、ごちそうになっている次第です・・・。

    もう1つの理由は、ドルンフェルダー種の品種改良が、ドイツ人の努力の賜物だからです。前述のように、ドイツでは、赤ワイン用ぶどう栽培は容易でなく、さらに、濃度の濃いルビー色を出す事は、至難の業です。それを可能にするため、長年にわたり研究され、品種交配によって誕生したのがドルンフェルダー種です。赤ワイン好きドイツ人が、「ドルンフェルダーがこんなに濃厚なのは、ポルトガルからの品種が混ざっているからなんだよ。」と、いつもの晩酌の席で話してくれました。ポルトガルの品種?と疑問に思い、調べた事があったのですが、ヘロルトレーベ 、ヘルフェンシュタイナーという2種がドルンフェルダーの親にあたり、さらに、ヘロルドレーベの親は “ポルトギーザー“ とレンベルガーだそうです。“ポルトギーザー“ はその名の通り、ポルトガル生まれの品種で、オーストリア経由で、ドイツに入ってきたようです。

    赤ワインの購入ポイントは、ドイツ人も同じで、やはり、色の濃さだそう。濃いほどよい。見た目にも凝縮感があり、満足度が増すのだそう。ドイツ人は、肉食で、チーズ好き。デリケートな甘みと、フルーティーな酸味のコンビネーションに、濃厚なルビー色のドルンフェルダーは、ドイツ産赤ワインに物足りなさを感じていたドイツ人の意識を180度変えたようです。さらに、ドルンフェルダーは非常にタフな品種で、病気や腐敗に強く、様々な環境に適応。厳しい環境のドイツでも、一定の収穫量が期待できる事から、生産者にとっても重宝がられています。

        余談ですが・・・、めっきり、天然コルク栓が姿を消し、合成コルク栓やスクリューキャップが、とって変わったワインの栓業界。栓を抜く時、コルク栓が粉々になってワインの中に入っちゃった経験をお持ちの方には朗報です。ただ、これらは、趣きや高級感に欠ける。レストランで、ソムリエがかっこよく、シュッパ!と栓を抜き、コルクを嗅ぐ姿、見られなくなりますよね・・・。でも、その反対に、不良コルクのために、丹精込めて造ったワインが台無しになるケースがあまりにも多く、生産者は頭を悩ませていたのです・・・。たかが蓋、されど蓋・・・。                              合成コルクは、天然コルクより瓶に密着するため、開けにくいのが難。実際、いくら引っ張っても開けられなくて、飲む事を断念した経験のある方も?? 長期保存に適さないため、低価格ワインに使用されているようです。その点、スクリューキャップは、ワインオープナー不要、再栓もでき便利。密閉性に優れ、酸化が遅く、ゆっくり長期間熟成させられる。リサイクルも出来、地球に優しい事も利点です。現在、ワイン栓先進国のオーストラリア、ニュージーランドを中心に、アメリカやヨーロッパに浸透。ただ、高級感に欠けるという意見も有り、高級ワインには、同じく、簡単に開けられ、残った時保存しやすいよう、グラス栓を使うワイナリーも。ここに、さらに進化したワインの栓、オーストラリア「ZORK」(ゾーク社)が開発した”ゾークキャップ“ も参入。コルク栓でもなく、スクリューキャップでもない、コルク臭や酸化の問題を解決する、全く新しいワイン栓です。汚染や香りの変化がなく、ワインの品質を守ります。ポリエチレンで出来ているので、100%リサイクル可能。さらに、「ポン!」という音がするようデザインされており、ワインを開ける楽しみはそのまま。簡単に開けられ、再栓ももちろんOK。まだ、ドイツでは、あまり消費者の目には留まりませんが、今後、増加していくことでしょう。旅先のホテルの部屋で、スーパーで買い込んだワインを飲もうとしたが、ワインオープナーの持ち合わせが無く、フロントまでわざわざ借りに行った経験のある貴方!これら、スクリューキャップなどの再栓可能なワインを選べば、その心配無く、ホテルの部屋で、持ち込みワインを楽しめます!

    さて、今回は、“お手頃価格” というサブテーマに沿って、ディスカウントスーパー”アルディ“(Aldi) に足を運びました。フランクフルトへお越しの際は、覗いてみて下さい。コンスタブラーバッヘ近くのマクドナルドを曲がって100m程、グローセ フリードベルガー通り(Große Friedberger Strasse) 沿いにあります。

    下記、1.79€ とお得。甘口(Lieblich)と辛口(Trocken) お好みに合わせて。甘口はとてもフルーティーな味わい。女性にお勧め。合成コルク使用

    ワンランク上のワインを・・・。という方には、下記はいかが?バリック(Barrique)、樽熟成ワイン。辛口。樽香と力強い味わい。濃厚なルビー色が深みを感じさせます。高級感を出すため、ガラス栓使用。スクリューキャップと同じで、簡単に開けられ、何度も繰り返し栓をしなおせます。3.59€。樽熟成ワインで、驚きのこの値段!

    ちょっと、両者の色合い比較してみましょう。やはり、樽熟成は色も味も濃厚でした!

    下記は、スーパーマーケット „REWE“ で見つけたシリーズ。                 あまりにも安いと、おみやげには・・・と、お考えの方、有名どころで、味もお墨付きのワインをご紹介。モーゼル河畔の田舎で、200年以上続く醸造所Langguth(ランググース)家のErben(エルベン)ワイン オリジナルシリーズ ドルンフェルダー。なんと、2,79€!スクリューキャップ使用で開け閉め簡単!Langguth家、現在の経営者は、なんと6代目。ドイツ蒸留酒、ワインメーカーでは、最も名が知れており、現在、80カ国で飲まれています。実に洗練された味わいと、伝統を感じる一本をおみやげに。

    同じくReweで見つけたシリーズ。ラインヘッセン、マインツ南部のワインの村、ナッケンハイムで造られている逸品、4つの醸造所協賛、カール・ツックマイヤー (Carl  Zuckmayer ) エディション。ナッケンハイム村、グンダーロッホ醸造所の先々代が、故郷と故郷のワインをこよなく愛した、ナッケンハイム生まれの劇作家、脚本家カール・ツックマイヤーの作品「楽しきワイン山」に感化されて醸造所を起こしたのが、ワイン村ナッケンハイムの始まりらしい。スクリューキャップで、栓の開け閉め簡単。4.49€ 土地の歴史を感じさせる一品。  

    お土産にお持ち帰りの際は、免税範囲にお気をつけ下さい。


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