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    スペインの国祭日、イスパニアデーの軍事パレード


    2021-10-18

  • スペインの祭日で最も重要な日は?と聞かれたら、スペイン人の多くが10月12日と答えるんじゃないでしょうか。コロンブスが新大陸を発見したのが、1492年10月12日、この日を境にスペインの歴史が変わったことは確か。そして同時に、スペインの守護聖人、ピラールの聖母マリアの日でもあるとても大切な祭日です。

    伝統としてこの日に行われて来たのが軍事パレード。昨年はコロナ禍のために中止となってしまいましたが、今年は規模を縮小して開催することになりました。10月12日当日、私もパレードを観に行ってきました!

     

    マドリッド市内を南北に走る幹線道路、カステリャーナ大通りを、クスコ広場からヌエボス・ミニステリオまで完全に通行止めにして、その中間地点であるリマ広場に国王夫妻や中央政府要人、地方自治体政府首長らが並ぶ特別観覧席が設置され、陸海空軍の様々な部隊、治安警察隊、陸軍歩兵特殊部隊レヒオナリオ、国家警察など総勢2565名がパレード。115台の各種軍用車両も陸上のパレードに加わった他、68機の様々な軍用機による航空パレードも同時に行われました。

     

    周辺の警備は厳重で、カステリャーナ大通りへ通じるすべての道路はテロ対策か、超大型車両で塞がれ、軍隊と警察が張り付いていました。

     

      

    パレードの様子をカメラに収めようと、10h30開始予定のところ、クスコ広場に着いたのが09h30頃でしたが、大通り両側の沿道は既に国旗の小旗を持ったり、大きは国旗をマントのように羽織ったりした人々でびっしり埋まり、パレードが通る大通りは見えず、見えるのは人の頭だけ。王制を支持する保守的な人たちにとっては、このパレードは「大切なお祭り」、家族連れや友人と連れ立って、朝早くから出かけて来ているようです。

     

    精いっぱい背伸びして、腕を伸ばし切ってカメラに収められたのは、この近衛騎馬兵だけ。クスコ広場からリマ広場まで、近衛騎馬兵に囲まれながらロールスロイスで国王夫妻が登場。

     

    人の頭しか見えないので、地上のパレードを観るのは諦め、場所を変えて航空パレードに望みを託します。人込みを離れて移動中に、パレード前に談笑している兵士さんたちに遭遇。赤いライン入りズボンは近衛兵さんたち、黄色いベレーはUME(緊急事態出動隊)の隊員さんたち。山火事、洪水、火山噴火など様々な災害が発生するとすぐに駆け付けて活動してくれるUMEは国民に最も親しまれている軍隊です。

     

    次は、パラシュート部隊の精鋭2名が飛行機から降下。高層ビルが林立する中、カステリャーナ大通りの貴賓席前に降り立つだけでも非常に難しいのに、その内のひとりは足に大きなスペイン国旗、長さ70メートル、重さ15キロ、を足に付けて降下し、その国旗はその後の国旗掲揚に使われるという段取り。近くで見ることができましたが、凄い!の一言。訓練と修練の賜物以外の何物でもないですよね。

     

    さて、航空パレードの皮切りは、空軍の花形、アクロバットチーム「アギラ」。スモークでスペインの国旗を描いてカステリャーナ大通りを南から北へ駆け抜けます。

     

    貴賓席裏のスペースを確保し、頭上を駆け抜ける様々な軍用機を撮ってきたので、ご覧ください!

     

    さて、いよいよ陸上パレードが始まります。
    私は人垣に阻まれて、まったく見えませんでしたが、スペイン国営放送、TVEが軍事パレードをライブ中継した内容が録画されてYouTubeにアップされており、*こちらでご覧いただけます。*こちらのリンクへの移動はご自身の判断にてお願いいたします。

    まずは様々な部隊が活用する多様な軍用車両のパレード。

    次いで、徒歩によるパレードの先頭は近衛兵、寸分の狂いもない素晴らしい隊列で行進して行きます。続いて空軍、海軍、UME(災害救助で活躍するワンちゃんもいます)、陸軍パラシュート部隊、陸軍山岳部隊(サンベルナルド犬もいます)、治安警備隊、陸軍歩兵特殊部隊レヒオナリオ(部隊のマスコットのヤギもいます)、そして最後はアフリカ大陸のスペイン領(セウタ、メリーリャ)歩兵特殊部隊レグラーレス。

    頭上をチーム・アギラが、今度は北から南へスモークを描いて飛び去り、パレードの終わりを告げます。

     

     

    貴賓席に居るVIPが乗ってきた車がずらーっと並び、運転手さんたちが待っています。パレードが終わり、VIP達が戻ってきます。

     

    パレードを観に来ていた人たちも、三々五々、帰途に就きます。

    スペイン国旗の色にコーディネートした母娘さん

     

    こちらは国旗を纏っていますね。

     

    赤ん坊を抱っこしたパパや一家そろっての家族連れ。

     

    軍事パレードは、好むと好まざるに拘わらず、いつも必ず政治的な意味合いが入り込み、お祭り気分に水を差す部分もありますが、UMEを始め、特殊な技術を修め、特別な訓練を重ねた軍人さんたちが、国内はもちろん、海外においても、目に見えないところで私たちの暮らしを支え、守ってくれていることに、感謝し、その働きを称える、そんな気持ちで過ごせたらいいなぁと思いました。

     

    Lucymama


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