【黄葉の旅1】 峠の村、オ・セブレイロ経由でラス・メデゥラスへ みゅうマドリッド みゅうバルセロナ ブログ記事ページ

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    【黄葉の旅1】 峠の村、オ・セブレイロ経由でラス・メデゥラスへ


    2018-11-11

  • スペインでも紅葉/黄葉は見られるのか?

    その答えを探す旅に出かけました。

     

     

     

     

     

     

     

    2泊3日の旅、行き先はレオン県北西部のエル・ビエルソ(El Bierzo)地方。

     

     

    マドリードからレオンまでは高速鉄道AVEで2時間15分、便利になりました!

    レオン駅でレンタカーを借り、A-6号線をひたすら西へ。

    テンプル騎士団のお城で有名なポンフェラダ(Ponferrada)を通り過ぎると、ここからビジャフランカ・デル・ビエルソ(Villafranca del Bierzo)のあたりまで、周りを山に囲まれた盆地に見渡す限りのブドウ畑が見えてきます。

     

     

    ここはD.O.Bierzoのワイン生産地、メンシア種のブドウから造られる赤ワインが美味しいことで知られています。ブドウ畑もいろんなトーンに黄葉していて、とっても綺麗。

    今回の旅行は10月末でしたが、なんと私たちが旅立つ前日から、イベリア半島全土で一挙に気温が下がり、突然、冬がやってきました。出発時、マドリードの最低気温マイナス1度でした。

    A-6号線を進み、オ・セブレイロ(O Cebreiro)を目指しますが、気象情報や道路情報を見ると、昨晩はかなりの雪が降った模様で、この時点でも気温は零下。チェーン装備のない車で行けるのか、心配しながら向かいます。

    Piedrafita de CebreiroでA-6号線を降り、細い県道を5キロほど、除雪車が雪を除けてくれていたおかげで、なんとかオ・セブレイロにたどり着けました。

     

    なんとか駐車スペースを確保し、村の中へ入ると、あちこちでいくつものテレビ局が生中継をしているではありませんか。何事かと村人に尋ねると、「まだ10月なのにドカ雪が降ったんで、わんさかテレビ局がやってきたんよ」とのこと。ニュースになるほどの大雪だったんだー!

     

     レオン州の北部からガリシア州南東部の山岳地にロス・アンカーレスと呼ばれる地方がありますが、地理的および気候的な条件から20世紀に入るまで外界との交流がほとんどなく、住居、生活習慣、言語など、独自の文化と伝統を守ってきたことで知られています。

     

    このような、石造りの壁の上に藁ぶきの屋根をのせたパジョーサ(Palloza)と呼ばれる住居に今でも暮らしている村もあるのだとか。

    オ・セブレイロもロス・アンカーレス地方に属していますが、サンティアゴ巡礼路が通っていることから、外界との交流があったようです。今回は雪で覆われて全く見られませんでしたが、この村の案内所やレストランなどはパジョーサ造りの建物が使われています。 上の、テレビ局レポーターの女性の後ろの建物や、その下の写真の雪に埋もれている家も典型的なパジョーサです。

     

     

    オ・セブレイロは標高1300メートルにある峠の村でサンティアゴ巡礼路が通っています。ここからガリシア州に入りますが、冬の厳しい寒さと雪とでここからの峠越えは巡礼者にとっての難所です。

     

    9世紀に造られたプレ・ロマネスク様式のサンタ・マリア・ラ・レアル教会はサンティアゴ巡礼路が通るすべての地域の中で最も古い教会です。この教会は聖杯を意味するガリシア語、「サント・グリアル」と呼ばれる奇跡の伝説で有名になりました。

    この祭壇の奥、赤い箱の中に納められているいるのがその「奇跡の聖杯」。

    伝説をかいつまんでご紹介しましょう。

    14世紀に入って間もなくの頃、この教会から3キロほどのところにある村にフアン・サンティンという信心深い人が住んでいて、雨が降ろうが槍が降ろうが、必ずここまでミサにやってきました。ある冬の日、もの凄い嵐の中、教会の神父は「こんな日にミサに来る奴がいるはずがないわ」と思っていたら、なんとファン・サンティンがただひとり、嵐の中をやって来たではありませんか。呆れた神父が「こんな嵐の中を、一切れのバンとひとくちのワインを求めてやってきたやつがいる。そこまでしてミサに来る意味などないわ」と言って皮肉ると、この聖職者の信仰心と慈悲心の欠如に対して神が怒り、ホスチア(聖体拝領用のパン)を血の滴る本当の肉に変えてしまい、その滴る血を受けたのがこの聖杯だったと伝えられています。

     

    村の外れ、巡礼路の道標が雪に埋もれていました。

     

     

    こんな雪の中でも巡礼路を歩き続ける人たちがいます。

    「ブエン・カミーノ」と声をかけると、にっこり笑って歩いて行きました。

     

    私たちは、車で来た道を戻り、いよいよ、今日の最終目的地へ向かいます。A-6号線を降りてCarucedoという町を経由して、ラス・メドゥラス(Las Medulas)のオレジャン展望台へ。

     

     

    山の尾根を登る道を走って行くと、色とりどりの黄葉の中、小さな村がありました。

     このオレジャン(Orellan)の村があまりにも素敵で、車を停めて、散策してしまいました。

     

    鄙びていて、静かで、可愛い。

     

     

     

      

     

     

     

     

     

    そして山の上の駐車場に到着、ここからは歩いてラス・メデゥラスを一望できるオレジャン展望台(Mirador de Orellan)へ。尾根の南側を歩き、尾根の頂上にある展望台を目指すと、東側に広がる山や谷が綺麗。

     

     

    真ん中の雪を頂く山はほとんど雲の中。

     

    そして、頂上の展望台に着くと・・・この景色!

    ちょうど、雨が降り始め、雲が垂れ込めて、綺麗な写真が取れなかったのが残念。

    明日は、このラス・メデゥラスをじっくり一日かけて回ります。

     

    黄葉の旅2 古代ローマの金鉱山跡、ラス・メデゥラスとその周辺

    へ続く。

    Lucymama

     


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