グランパレ開催、トゥールーズ・ロートレック展 後編 みゅうパリ ブログ記事ページ

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    グランパレ開催、トゥールーズ・ロートレック展 後編


    2019-12-02

  • 前回に引き続き、グランパレ開催、トゥールーズ・ロートレック展を紹介します。

    グランパレ開催、トゥールーズ・ロートレック展 前編 はこちら

    こちらは、ロートレックが描いた、モンマルトルにあるダンスホールの一つ、ムーランドラギャレット。

    ルノワールも同じ場所を描いていますが、その差に愕然とします。

    [みゅう]パリ 美術コラム 『ムーラン・ド・ラ・ガレット』ピエール・オーギュスト・ルノワール

    画面奥には、踊る人々。手前の女性たちはベンチのような場所で座っていますが、彼女たちは売春婦たちです。ダンスホールはただ踊って楽しみに行く場所ではなく、女性を買いに行く、つまり売春の場所でもあったのです。あくまで、人生の明るい部分だけを取り出し、太陽の光の下で陽気に描いたのがルノワールだとしたら、ロートレックはどぎつく、生々しい現実を描いた、ということもできるでしょう。

    こちらは、娼婦が医療検査を受けている場面。娼婦をやるにも当時はライセンスが必要で、その資格の更新には、性病にかかってないか定期的に検査を受ける必要がありました。娼婦たちの屈辱的な日常、舞台裏がこのようにリアルに描かれています。

     

    ところで、パリには、ロートレック・オペラ、というホテルがあります。ホテルの前に行くと、かつてロートレックがここに住んでいた、というパネルが貼ってあります。どういうことか、ホテルの人に聞いてみると、そこはもともと売春宿で、ロートレックはそこに半ば住むような頻度で滞在していたそうです。

    娼婦たちと生活を共にしている彼だからこそ、そのような日常の一瞬をとらえることができたのでしょう。

    左には、いじわるそうな売春宿のおかみさん。

     

    性も奔放で、しまいには梅毒。アルコール中毒にもなっていて、体もボロボロだったロートレックは、37歳の若さでこの世を去りました。偶然にも、ゴッホもまた、おなじ若さでこの世を去っています。

    モンマルトルの最も華やかな時代にどっぷりはまって、生きて、そして死んでしまった小さな巨人。ロートレックの魅力が詰まった特別展。おすすめです。

     (渦)

    パリ発
    【プライベートツアー】 ムーランルージュ ディナーショー&ドリンクショー


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