ジャックマール・アンドレ美術館の企画展 ハメルショイ特別展 みゅうパリ ブログ記事ページ

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    ジャックマール・アンドレ美術館の企画展 ハメルショイ特別展


    2019-07-15

  • 先週紹介したジャックマール・アンドレ美術館。

    とても面白い企画展をやっていることが多く、現在は、ハメルショイ特別展を開催しています。

     

    ハメルショイ?

     

    私も知らなかったのですが、展覧会にいってとっても好きになりました。

     

    ハメルショイは、コペンハーゲンで19世紀後半から20世紀にかけて活躍したデンマーク人画家で、その絵画から、デンマークのフェルメールとたたえられているのだそうです。

     

    デンマークでは、知らない人はいないほどの国民的画家なのだそうですが、フランスでは、オルセー美術館が彼の絵画を購入しているのにもかかわらず、まだ無名にとどまっています。

     

    ジャックマール・アンドレ美術館は、そのようなまだフランス人になじみのない画家をとりあげて、啓蒙しようとしているのですね。すばらしい。

     

    展示は、若き日のハメルショイの作品から、

     

    右が若き日の自画像です。

     

    人物画、

     

    ハメルショイは、まずは肖像画家を目指したそうです。彼は、良く知っている人しか描かない画家だったらしく、描かれている人物はすべて家族、親戚、親しい友人などです。

    風景画、

     

    知らない人は描かない。よって、風景画には、人物が一切いない!

    マルグリットのような、幻想的な風景画。浜辺がえがられており、左隅にちょこっとだけ、海が見えます。

    丘の中央、ちょこっとしたところには、小さな風車がかかれています。

    写真じゃみえにくいですね。。。

     

    そして、室内の風俗画など、

    さまざまなジャンルに挑戦した画家の軌跡を見ることができます。

     

    ハメルショイの色調は、一見するとくらめ。常にグレーかかっているのですが、その一見暗いトーンの中に、あらゆる繊細な色彩のグラデーションが見て取れます。

     

    トーンは暗めだけれども、色彩画家といっていいほどの繊細さをもっています。

     

    これは、人物のいない、室内。右側に描かれているのは、絵を保護するガラス盤に反射した光ではありません。絵画の中に描かれた、窓から差し込む光です。

     

    フランスの印象派は、光を表現しようとした画家たちですが、ハメルショイもまた、光を表現しようとした作家として、印象派といっていいかもしれません。

     

    例えば、上の作品。机の上の光の照り返しは見事。フランスの印象派、カイユボットの床の修理人の絵画を思わせます。

     

    何も語らないにもかかわらず、何か絵画のなかに引き込まれそうになります。

     

    詩的な沈黙。

     

    それぞれの絵が持つ、静謐感。確かに、フェルメールの描く絵画にとても良く似ています。

     

    機会があるかた、ぜひ。

    おすすめ展示会です。

     

    ハメルショイ展、デンマーク絵画の巨匠

    3月14日から7月22日までジャックマール・アンドレ美術館で開催中

    Musée Jacquemart-André ジャックマール・アンドレ美術館
    158, Boulevard Haussmann
    75008 Paris
    開館時間 10時18時まで 


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