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    フランクフルト:ちょっと寄り道世界遺産 ロルシュ編


    2017-10-23

  • フランクフルト空港に降り立ち、さあ、いよいよ自由気まま旅行の始まり。まずどこへ?列車で南下し、ハイデルベルグなどとお考えの方、ちょっと寄り道はいかがですか?途中ベンツハイム駅で乗り換え、ローカル線で5分程度でロルシュ(Lorsch)駅に到着。ここにはカロリング朝の遺構、ドイツで最古の建造物の一つであるロルシュ王立修道院があります。1991年に世界遺産に登録されています。30年戦争で多くを破壊されているため、がっかり世界遺産とも言われますが、実は、逆に穴場?なのですよ。これが。

    無人駅のロルシュ駅はこんな感じ。ついでにベンツハイム、ウォルムス間を走るローカル線もどうぞ。

    バーンホフシュトラッセ(Bahnhofstrasse)を南下すると、850mで、町の中心マルクト広場に到着。

    その広場から東の方角を見ると、アーチと付柱が美しい「カロリング・ルネッサンスの宝石」と称される「王の門」(Königshalle)が堂々とお目見え。。「カロリング・ルネッサンス」の時代とは、カール大帝が栄華を極めた贅沢な時代を言います。

     「王の門」に向かう通りは、カフェが軒を連ね、とても賑やかでした。もっと近くによってみますと。こんな感じ。庶民がふつ~にたむろしてます。

     古代ローマ様式と土着チュートン人の様式を折衷している珍しい建造物です。建てられた理由は定かではありませんが、カール大帝の戦勝を讃える凱旋門だったという説が有力です。

     美しき「王の門」を通り過ぎると、素朴で重厚な造りの修道院跡。華やかさはありませんが、質素倹約に勤めていた中世の修道士達の生活が想像されます。

    8世紀頃に建てられたこの修道院、中世にはローマ教皇より聖人ナザリウスの聖遺物を譲り受けたことにより巡礼者が多く訪れ、キリスト教文化の中心地となりました。9~10世紀にかけてこの地一帯を支配していたカール大帝の庇護により、この地に多くの知識人が送り込まれ、ロルシュは宗教と文化の中心として栄えていきました。一時は中世最大規模の図書館を備え、医療を科学として捉えた最初の著作「ロルシュの医学書」(2013年、ユネスコ世界記憶遺産に登録)がここから誕生したように、中世前期のロルシュ修道院は、大規模な薬草園 を所有し、豊富な医療知識を備えていました。中世の修道院は文化の中心であり、医学書を書写していく作業も、修道士たちの仕事の一つだったようです。しかし、その後、30年戦争で甚大な被害を受け、建物は殆ど破壊され、蔵書類はバチカンに持っていかれたため、現在残されているものは多くありません。しかし、この古い建造物はカロリング朝の歴史を物語る貴重な世界遺産なのです。

     さて、ここから旧市街を出て、川に向かって農道を歩くと、薬草園が広がます。ロルシュの人たちは、昔の栄華を現代に継承しているのです。さらに進むと、たばこ納屋。30年前までタバコの葉を乾燥させるのに用いられた堂々とした木造納屋は、ロルシュの歴史においてタバコ栽培の重要性を連想させます。

    ここから、川沿いを歩き、左折すると、カロリング朝での生活を再現する屋外研究施設“ラウレスハム“があります。ガイディングツアーに申し込めば、内部見学することもできますが、フェンス越しにも、再現された住居、そして、飼育されている動物の姿を見ることができます。

     ピピン3世や、カール大帝の時代、人はこれらの動物たちと共生し、慎ましやかな暮らしを営んでいたのですね。ロルシュという地は、歴史がたっぷり詰まっています。ぜひ、お立ち寄りください。


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