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橋を渡って、お屋敷の方へ登って行きましょう。

屋敷へ通じる登り坂の入り口に建つオブジェ。

樹々の間からお屋敷が見えてきました。


この土地は 20 世紀末まで、スペインの貴族、トーレ・アリアス伯爵家の所有だったようです。同伯爵家は 18 世紀に国王カルロス3世によって与えられた爵位で現在も存続しています。
お屋敷の庭園とは思えない鬱蒼とした緑

17 ヘクタールにおよぶこの広い土地は、16 世紀からここを所有した歴代の貴族の保養地が造られたり、農耕や畜産の場として利用されてきたそうです。
かつて、地下水をくみ上げた噴水と洗い場があった広場

樹齢何百年の樹木がいっぱい

1986 年、当時この農園を所有していたトーレ・アリアス伯爵家の第8代当主、タチアナ女伯爵とマドリッド市との間で、農園をマドリッド市民に公開する代わりに、同伯爵家が各地に所有していた数百ヘクタールに上る土地を農地から住宅や商業施設を建設できる土地への転用(レカリフィカシオン/recalificacion)を市側が許可にする、という取り決めが行われたそうです。
小川の両側はこんな感じで、まるでガリシアの森に迷い込んだみたい。

そんな森の中でこんなものを見つけました。なにかのおまじない?

メディアが女伯爵のマドリッド市民に対するの寛容さを大々的に褒めたたえた一方で、著名な不動産専門家らは農園だった土地を住宅や商業施設の建設用地に転用したことによって伯爵家が得た利益に対する税金(プルスバリア)を伯爵家はマドリッド市には支払うべきであることを暴露し、その額は 6 百万ユーロにものぼったのだそうです。
税金を払うことができなかった伯爵家はこの農園を手放し、マドリッド市の所有となったのだそうですが、第 8 代当主タチアナ女伯爵が 2012 年に亡くなるまではこの私有地での居住と利用を許し、同女伯爵没後にマドリッド市が所有と管理をするになり、現在は市民の憩いの場として公開されている次第だとか。昆虫保護ゾーン

畑の向こうに見える不動産登記所の巨大なビルが、ここがマドリッド市内であることを思い出させます。

マドリッド市内中心地から地下鉄でたったの 30 分、トーレ・アリアスの駅を地上に出るとすぐ目の前にこの農園の入り口があります。

都会の喧騒から逃れて、緑の森や草花に癒されたい時には、お薦めのスポット。あまり知られていないので、人が少ないのも魅力です。

Quinta de Torre Arrias(キンタ・デ・トーレ・アリアス)
開館時間:
10 月~3 月:10h00-17h30
4 月~9 月:10h00-20h30
月曜閉館前編を見逃した方、こちらへどうぞ
by Lucymama
【マドリッド】キンタ・デ・トーレ・アリアス こんな癒しの空間があったんだ! 『後編』
2023-06-18
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