スイス レーティシュ鉄道アルブラ線ベルニナ線と周辺の景観の観光・見所について

レーティシュ鉄道アルブラ線ベルニナ線と周辺の景観

レーティシュ鉄道アルブラ線ベルニナ線と周辺の景観

スイス東部にあるグラウビュンデン州とイタリア北西部にあるロンバルディア州にかかる、スイス最大の私鉄鉄道レーティッシュ鉄道は、2カ国にまたがる世界遺産で、「レーティシュ鉄道アルブラ線ベルニナ線と周辺の景観」として文化遺産に登録されている山岳鉄道です。その路線網の距離は400キロメートルにもおよび、その間には42のトンネルと144の橋が、また、沿線には有数のリゾート地であるサン・モリッツやダボス、そして自然豊かなスイスらしい壮大な風景が広がっています。アルブラ線は、スイスのグラウビュンデン州にあるヒンターライン地方のトゥージスから、同じくスイスのエンガディン地方のサン・モリッツまでを結んでいます。観光客に人気の氷河特急や一部のベルニナ急行がこの路線を走っています。一方ベルニナ線は、サン・モリッツから、イタリアのロンバルディア州にあるティラーノまでを結んでいて、ベルニナ急行が通っています。アルプスを貫くように走っているレーティシュ鉄道の車窓から見える景観と、それらの景色を楽しむことができる鉄道の旅は、観光客からも人気となっています。

見どころ

世界遺産「レーティシュ鉄道アルブラ線ベルニナ線と周辺の景観」の見どころは、その名の通り鉄道ルート周辺の景観と、時にアトラクションのような走りをする列車の動きです。レーティシュ鉄道が走るエリアには、ヨーロッパ最大の山脈であるアルプス山脈の険しい山々があります。多くの山が立ちはだかる中を突き抜けるように線路を敷設することは当時たいへん難しいことではありましたが、雄大な自然の景観をそのままに見事開通を成功させました。当時、最大限の力と鉄道技術を活かすことで、生み出し、そして守った、レーティシュ鉄道周辺に広がる大自然の景観は、この鉄道の最大の見どころといえます。個々の線で見ると、アルブラ線の見どころは、スイスらしい大自然の光景です。世界的に見ても遅い速度で走る特急列車といわれるほど、ゆっくりとしたスピードで走る列車からは、伸び伸びと広がる牧草地、アルプスの名峰、美しい渓谷の風景をゆっくりと観賞することができます。ただし、氷河特急の名前の由来ともなっている、ヨーロッパ4大河川の一つローヌ河付近ではトンネルに入ってしまうため、その様子を列車から見ることはできません。そして、もう一つ見どころがあります。ランドヴァッサー渓谷に架かるランドヴァッサー橋で、アルブラ線で最も建設に困難を極めた場所といわれていて、長さは136メートル、高さは65メートルもあります。この高いアーチ橋の上をカーブして走る列車と、列車からの風景は、人気の撮影ポイントにもなっています。また、ベルニナ線の見どころとしてあげられるのは、車窓から繰り返し見られるループ橋です。特に、ブルジオのループ橋は必見です。高低差のある標高を上るために列車が360度一周するオープンループは世界的にも珍しいもので、アルブラ線のハイライトの一つです。さらに、このベルニナ線では、モルデラッチ氷河を見ることができます。ハイキング地としても人気のあるエリアですが、車窓からも十分にその壮大な景観を楽しむことができます。