ドイツ ウルム市庁舎の観光・見所について

ウルム市庁舎

ウルム市庁舎

ドイツ南西部、16連邦州のひとつであるバーテン=ヴュルテンベルク州に属する都市ウルムは、ドナウ川の左岸に位置し中世から交通の要所として栄えてきました。初期の飛行機が発明された地として、また物理学者アインシュタインの出生地としても有名です。
街の中心にあるミュンスター広場には世界で最も高い尖塔を有するゴシック様式のウルム大聖堂があり、堂々たる姿で訪れる人の目を楽しませています。14世紀に起工され完成まで実に500年以上の歳月をかけたこの聖堂は、奇跡的に第二次世界大戦の戦禍も逃れ中世の姿を我々に伝えてくれています。
ミュンスター広場にはウルム大聖堂だけでなく、他にも文化的価値のある建物が多くあります。聖堂と同じく14世紀頃建てられたウルム市庁舎もその一つです。創建当初は商館として建てられたものでしたが、15世紀からは市庁舎として使われ、現在では内部でウルムの歴史と地元出身の著名人たちの活躍をパネルで展示しており、人気の観光地の一つとなっています。

ウルム市庁舎1

見どころ

ウルムはドナウ川というヨーロッパを代表する大河を抱き、鉄道網が発達する以前はこの川を使っての交易の起点の街でありました。またドイツ南北を貫く交易路の通過地としても栄え、12世紀には帝国都市として認められ14世紀には自由都市になるなど、古くからその存在感を示してきた街です。
1370年に建造されたウルム市庁舎は、交易の街らしく初めは商館として建てられたものでした。しかし街の発展に伴い議会のための会議場が必要となり、この場所が会議場と定められたことで1419年に公式に市庁舎となったのです。
市庁舎を前にしてまず目に飛び込んでくるのは、壁一面に描かれた見事なフレスコ画です。北側と東側は人間的な美徳といった人生をテーマにしたフレスコ画が描かれ、南側にはウルムが交易都市として発展していった様子が描かれています。また東側には1520年に設置された装飾豊かな天文時計があり、外側を眺めているだけでも飽くことなく楽しめます。
中へ入ると階段ホールにはアルブレヒト・ベルブリンガーというウルム出身の発明家が飛行実験を試みた際の飛行機の模型が展示されています。また他にも街の歴史を描いたパネルや20世紀最大の物理学者アインシュタインの功績を称えた展示物などがあり、様々な角度からウルムの歩んだ歴史を知ることができます。
現在市庁舎の1階はレストランになっており、誰でも気軽にドイツ料理を楽しめます。ミュンスター広場にはウルム大聖堂や市庁舎、またシュタットハウスという国際的にも高く評価を受ける現代建築作品もありますので、ドイツ料理と共にそれらを眺めながら優雅なひと時を過ごしてみてはいかがでしょうか。