スペイン マドラサ宮殿の観光・見所について

マドラサ宮殿

マドラサ宮殿

スペイン南部、アンダルシア州のグラナダには、グラナダ王国の最盛期ともいえる14世紀に、フユス1世によってつくられたマドラサ宮殿があります。
活気あるオフィシオス通り沿いにあり、カテドラルの礼拝堂正面に佇んでいるマドラサ宮殿は、通りから目に入るバロック様式のファサードや、頑丈な鉄の格子に囲まれた窓やバルコニーなど、美しい外観を持っていて、同じグラナダにあるアルハンブラ宮殿に比べても保存状態がよく、建物のオリジナルの造りがそのまま残されているという貴重な建物でもあります。
マドラサ宮殿は、15世紀から16世紀にかけて、カトリック国王らが、聖堂の聖職者たちを集めて決議を行う組織を構成し、その活動の場所として定めた場所です。かつてのイスラムのコーラン研究所であり、現在は、バロック様式が見られる建物の造りと、モスクの壁に設置されたミフラブを見ることができる、グラナダの数ある貴重な観光地の一つとなっています。

見どころ

かつてのイスラム教の王国、グラナダにあるマドラサ宮殿では、保存状態のよい貴重な建築部や装飾の数々を見ることができますが、その見どころの一つとして、宮殿の講堂内のモスクの壁に設置されたミフラブと呼ばれる窪みがあります。
マドラサ宮殿は、もともとイスラム時代の神学の研究所で、「ユーフス1世大学」という名でも知られている建物です。メスキータの講堂内にイスラムの聖地メッカに向かって作られたキブラ壁には、イスラムモスクで見られる、同じくメッカの方向を示す窪みメフラーブが残っていたり、もともとあったままに保存されている学校内のイスラム教の祈祷室を見ることができたりと、キリスト教の文化を受けたエリアに残るイスラム文化の姿を垣間見ることができる貴重な場所となっています。
宮殿内では、1階と2階に分かれているフロアをそれぞれ見学することができるようになっていますが、その中の見どころの一つが、内部に見える18世紀の天井ドームです。モザイク模様のデザインが彫り込まれていたり、寄木細工により繊細にデザインされた天井を見ることができ、その美しさは圧巻です。
さらに、スペイン後期のバロック建築様式、チュリゲーラ様式により華やかに装飾された階段の吹き抜け部の光景も見ごたえがあります。
筆舌に尽くしがたい見事な装飾で埋め尽くされた、色あせることのない美しい内装と、バロック様式のファサードをはじめとした木と鉄と石によって作られた外観は、どれも一見の価値があるものばかりですので、ぜひご覧ください。