オーストリア ウィーンの森の観光・見所について

ウィーンの森

ウィーンの森

何ともロマンチックな響きである「ウィーンの森」ですが、これはオーストリアウィーン郊外や、ニーダーエスターライヒ州の東側にまたがる、広大な森林地帯のことを指します。森と呼んでいますが、実際にはアルプス山脈の一部で、最高地点は海抜893mほどになります。
ウィーンの森の中には、ブドウ畑やワイナリーがあるほか、教会や静かに暮らす人々の生活もあります。
ウィーンの森の北部に位置し、町の中心から一番近い「カーレンベルグ」はドナウ川やウィーンを一望できる絶景の土地。さらに、「ハイリゲンシュタット」の近くまで行くと、ベートーヴェンが田園交響曲の構想を練ったと伝えられる小川の小道があります。
南部には、「ヒンターブリュール」と呼ばれるヨーロッパ最大の地底湖「ゼーグロッテ」があり、船で観光することもできます。
東南部には「バーデン」という、古くから知られる温泉保養地もあります。現在、屋外屋内温水プールやフィットネスなどの施設があるので、数日かけてのんびりするのもよいでしょう。

ウィーンの森1 ウィーンの森2

見どころ

ウィーンの森はとても広く、場所によってさまざまな特徴があります。
温泉地として知られる「バーテン」では、38度の弱硫黄泉が湧きだしています。さらに、ベートーヴェン記念館もあります。ベートーヴェンはここを気に入り、1804年から1825年まで、毎年のようにこの地を訪れていたといわれています。有名な第九交響曲や荘厳ミサ曲は、ここに数年間滞在したときに作曲されたという言い伝えもあります。また、バーテンの近くには、「ベートーヴェンの散歩道」があり、素晴らしい自然と触れ合うことができます。
ウィーンの森南部にある「ハイリゲンクロイツ」には、オーストリア最古の修道院があります。1133年に建てられたもので、美しい回廊やステンドグラスが魅力です。
同じく南部にある「マイヤーリンク」は、1889年にハプスブルク家のルドルフ皇太子と男爵の令嬢マリー・ヴェッツェラが恋におち、心中したとされるところ。今現在は修道院になっています。
「カーレンベルグ」は、町から一番近いウィーンの森の町で、お手軽に散策できるエリアとなっています。ハイキングマップがあるので、旅行のスケジュールに合わせて歩いてみるのもよいでしょう。
美しく穏やかな風景が広がるウィーンの森は、物語や歌などで多く語り継がれてきたところです。緑豊かな別天地のようなこの土地に長期滞在するのもよし、1日や半日観光ツアーに参加して、主要な場所をめぐるのもよいでしょう。