ポルトガル モンサントの観光・見所について

モンサント

モンサント

ポルトガルの東部に位置する小さな村モンサントは、「ポルトガルで最もポルトガルらしい村」と言われています。ポルトガル一の標高を誇るエストレーラ山脈の東に位置するモンサントの村には、山から転がり落ちてきた石をそのまま活かした石造りの家がたくさんあります。屋根の上や家の入口の目の前、更には、建物の壁に、まるで突き刺さっているかのように、あるいは落下してきたかのように存在する光景、そして、巨大な石と穏やかな町の融合した光景は、強烈なインパクトを与えます。モンサントの村では、民芸品であるマラフォナシュという人形がおみやげ物として売られています。これは、顔がのっぺらぼうの布製の人形で、多産の女神の象徴とされていて、子供がたくさん生まれるようにという願いなどをこめて、新婚夫婦のベッドの下に置いておくものです。人形の顔に目などがないことで、夜の様子は「見ざる、聞かざる、言わざる」という意味を表しています。またヤギの皮で作られた楽器、四角い形のタンバリンも、おみやげ物として観光客の興味をひいていますが、現在でも村のお祭りの際に使用されています。

モンサント1 モンサント2

見どころ

モンサントの見どころは、平原の先に突然現れる岩山に張り付くように建つ家々の姿、そして何より、巨大な石と共存して暮らしている村の光景です。「聖なる山」を意味する名を持つモンサントは、先史時代より聖なる場所としてあがめられていました。山の中腹に位置し、中世の雰囲気を感じさせる村で、いたるところに堂々と佇む巨石は、圧巻です。これらの巨石はマグマによる花崗岩でできていて、もともと地殻変動により隆起したマグマが雨に冷やされ、風雨に削られ、現存する岩の形へと変化していきました。昔から石に対する信仰があった村の人々が、巨石との共存の道を選んだため、今に至っています。村では、石の信仰を思わせる「石の十字架」や、岩で作られた多くの教会が残っています。村の人々の石への想いと歴史を感じながら村を散策すると、さらに興味深いものとなります。村の入口には時計台のあるルカーノ塔があり、塔の頂上には「ポルトガルで最もポルトガルらしい村」の受賞記念の銀の鶏が飾られています。太陽が傾き始める頃に見られる、夕日に照らされ黄色く輝く銀の鶏とルカーノ塔の姿は圧巻です。この不思議な村では、一般的な感覚では想像ができない場所にある岩を探しながら町を散策することができますが、特に観光客から高い注目を集めているのが、屋根に大きな石が乗っているレストランで、この村必見のスポットです。