ポルトガル シントラの王宮の観光・見所について

シントラの王宮

シントラの王宮

シントラはポルトガルの首都リスボン近郊の、緑の濃い自然豊かな街です。11世紀にはアラブ人による文書に名前が記されており、1800年代には、イギリスの有名な詩人バイロン卿が「この世のエデン」と表現しており、友人に宛てた手紙にも「世界一美しい」と記載されています。リスボンからの日帰り観光にも最適です。シントラの街には様々な時代の遺跡や文化財があり、古いものでは7から8世紀のムーア人の城跡(12世紀にエンリケス王により破壊されました)、に始まり、ドイツ建築家により1850年に完成した独特のデザインのペーナ宮殿、12世紀の王族の別邸をイタリアの建築家ルイージ・マニーニが改築したレガレイラ宮殿と様々な文化財があります。その中でも14世紀にジョアン1世の夏の離宮として建てられたシントラの王宮は大規模で、前述の文化財とともに「シントラの文化的景観」として1995年にユネスコの世界遺産に登録されました。

シントラの王宮1

見どころ

シントラの駅からは、文化財を見て回ることのできる周遊バスが出ており、シントラの王宮は最初の停留所からすぐのところにあります。夏の離宮として、19世紀後半まで実際に使われていたため、中世の王宮にも関わらず、非常に良い状態で保存されています。1415年頃から建てられ、その後も改築をされながら使われてきた宮殿ですが、マヌエル様式の中央中庭のアラジョアニーナーは最初の建築で建てられたものです。1400年代後半から1500年代にかけて、ゴシック様式、ルネッサンス様式の装飾が付け加えられています。また、1500年代初頭にアラ・マヌエリーナの増築がなされ、ほぼ現在の姿となりました。とはいえ、その後も装飾や絵画は時代時代のものが付け加えられ、イスラムの影響を受けたムハデム様式のタイルによる歩廊等が作られています。建物の外観は、比較的質素に見えますが、中に入ると非常に豪華な調度品や装飾が見られます。すべての白鳥が王冠をつけ違うポーズで描かれている白鳥の間、ドーム型の天井にポルトガル貴族の紋章が飾られている紋章の間、尾の向きがそろえられた三角のペアのカササギを幾何学的に並べたカササギの間、人魚の間、アラブの間、ジュリオ・セザル(ジュリアスシーザー)の間といった広間とたくさんの豪華な部屋があります。また、鯉の置物から、金色の地球儀まで、時代と国が混在したような不思議な空間を楽しむことができます。