ドイツ ホーエンシュヴァンガウ城の観光・見所について

ホーエンシュヴァンガウ城

ホーエンシュヴァンガウ城

ホーエンシュヴァンガウ城は、白鳥伝説で有名なドイツのバイエルン州フュッセン近郊、ホーエンシュヴァンガウに建つお城で、その名はドイツ語で白鳥の里を意味しています。
この城が建てられたのは12世紀頃で、まだその頃はシュヴァンシュタイン城の名で呼ばれていました。その後は30年戦争やナポレオン戦争に巻き込まれるなどして長らく荒廃していましたが、1832年にバイエルンの王太子マクシミリアンが購入し改築することで現在のホーエンシュヴァンガウ城に生まれ変わりました。そして父から王位を受け継ぎ国王になったマクシミリアンは、この城を国王一家の離宮にしました。彼には2人の息子がいますが、中でも長男のルートヴィヒ2世は幼少期に過ごしたこの城の影響もあり、成人後、この城のすぐ近くにもう一つお城を建てています。それがノイシュヴァンシュタイン城で、そこで彼が伝説と現実の狭間を彷徨うようになったいきさつは有名ですが、この城がそのきっかけをつくったといわれています。
現在はバイエルン王家の血筋を受け継ぐヴィッテルスバッハ家の財団によって運営されており、狂王ルートヴィヒ2世ゆかりの城として多くの観光客を集めています。

見どころ

【王家一家が過ごしたホーエンシュヴァンガウ城内の各部屋】ホーエンシュヴァンガウ城内には、バイエルン王マクシミリアンを始め、王妃マリーや息子のルートヴィヒ2世らが過ごしたであろう礼拝室や化粧室、寝室などがあり、各部屋に描かれた見事な壁画や豪華家具などを見学することができます。
壁画には古代神話や英雄を題材にしたものが描かれており、特に白鳥の騎士ローエングリンの伝説を描いた壁画は幼少期のルートヴィヒ2世に多大な影響を与え、歌劇『ローエングリン』を作曲したドイツの巨匠ワーグナーへの心酔を誘発させ、彼のパトロンとして莫大な経済支援を行う動機になった他、ホーエンシュヴァンガウ城のすぐ近くにノイシュヴァンシュタイン城を築城するきっかけにもなったといわれています。具体的には、そのローエングリーンの壁画がある「白鳥の騎士の間」や、王妃マリーの書斎「ベルヒターの間」、「英雄の間」などにロマンス感や騎士道精神があふれる壁画が描かれています。
【城の塔などに描かれた紋章や白鳥像などを見つける楽しさ】ホーエンシュヴァンガウ城は黄色の城壁が特徴的で、日差しに照らされるとその黄色が輝いて見え、なおいっそう迫力を増しますが、外観的な楽しみ方はそれだけでなく、お城の周辺を回りながらお城の城壁に描かれた紋章などを探す楽しみ方もあります。例えば、東側で聳え立つ塔に描かれた王家の紋章や、お城の真下からは見えない屋根の中央台座に立つ白鳥像などです。