オーストリア ベルヴェデーレ宮殿の観光・見所について

ベルヴェデーレ宮殿

ベルヴェデーレ宮殿

オーストリアにあるベルヴェデーレ宮殿は、シェーンブルン宮殿と並んでウィーンにおける2大バロック宮殿の一つとされています。その昔、オスマントルコ軍の包囲からウィーンの人々を救ったことにより英雄と称されたプリンツ・オイゲン公によって、夏の離宮として建設された美しい宮殿です。
この宮殿はバロック様式で建築されていて、上宮と下宮の2つに分かれる形で1723年に完成されました。上宮ではオーストリア・ギャラリーを見学することができ、19世紀から20世紀にかけてのオーストリア絵画を鑑賞することができます。一方、下宮では中世の美術作品とバロック美術作品を楽しむことができるようになっています。
1630年頃から1740年に至る時期がオーストリアバロックとされていますが、この宮殿はオーストリアバロックのいわば全盛期に建設されています。バロック建築家で巨匠と呼ばれるルーカス・フォン・ヒルデブラントが手がけた素晴らしい建築物が人々の目を楽しませています。

見どころ

ベルヴェデーレ宮殿は、何と言ってもその美しいバロック建築の見事な装飾や、楕円のフォームでデザインされている曲線美が印象的です。入り口にある門や庭園の中など、至る所に凝った装飾が施されているため、どんな場所を見ても素晴らしい美意識が表れています。
下宮は上宮と比較して少し早く完成され、プリンツ・オイゲン公がプライベートの住居に使っていたとされています。上宮よりもシンプルな雰囲気になっていて、装飾も控えめになっていますが、ここにはラファエル・ドンナーによって手がけられた「ドンナ-の泉」のオリジナルが保管されています。その他にも、下宮には画家アルトモンテによって制作された天井フレスコ画を見ることが出来たり、個性が際立つ見ごたえのある部屋を見学することができます。
上宮と下宮はともに美術館になっていて、19世紀と20世紀に描かれた絵画を公開していますが、その中でもクリムトが描いた「接吻」やエゴンシーレによる「家族」が特に注目を集めています。その他にも、マネやモネ、ムンク、ゴッホなど著名な画家たちの絵画を楽しむことができるのが魅力です。
宮殿にある庭園には、顔部分は女性ですが身体は獣と女性を掛け合わせたような不思議な像が飾られています。幾何学模様になるように作られている庭園からは、カール教会などの街並みを眺めることができます。この宮殿の前では、冬の時期になるとクリスマスマーケットが開催され、クリスマスの雰囲気を一層華やいだものにしてくれます。