オーストリア シュテファン大聖堂の観光・見所について

シュテファン大聖堂

シュテファン大聖堂

シュテファン大聖堂とは、オーストリアの首都であるウィーンでシンボル的な存在になっている大聖堂の一つです。この町の郊外には、ウェーンブルン宮殿という宮殿がありますが、シュテファン大聖堂はこの宮殿と対をなしているのが特徴です。旧市街はその昔は城壁によって囲まれていて、その中心部に聳え立つ大聖堂は、ウィーンではランドマークになっています。
長い歴史を持った都市であるウィーンは、旧市街の「ウィーン歴史地区」が世界遺産にも指定されていて、その中で主要な建物は、バロック様式や近世以降の建築物が多くなっています。そのため、中世に建てられたロマネスク様式の建物やゴシック建築の建物は少ない傾向がありますが、シュテファン大聖堂はゴシック建築としてヨーロッパを代表する建築物の一つとされています。
この聖堂には、シュテッフェルという愛称で親しまれている「南塔」があり、まるで針を思わせるような形状が印象的です。1147年に建築されて以来、何度か増改築が行われている聖堂は、色々なウィーン建築様式を観賞することができます。

シュテファン大聖堂1

見どころ

1433年に完成されている「南塔」は、高さがおよそ137メートルあるとされ、天空に向かって聳え立っているようなイメージが魅力です。ゴシック様式の建物の特徴である、繊細に施されている装飾で覆われているため、どの部分を眺めても見飽きることがない美しさです。
15世紀の半ば頃に着工された「北塔」は、本来なら南北に2つの塔が対になるような形で構成される予定でしたが、1511年に工事を中断したことによって、上蓋を完成した状態で今に至っているのが特徴です。この不完全さが、逆に見る人々に親しみやすい印象を与えています。ここには「プンメリン」という鐘があり、聖堂の中でも知名度が高いことで有名です。「北塔」ではエレベーターを使って上ることが可能ですが、「南塔」の場合は階段で上ります。特に「南塔」側から望むウィーンの眺望は美しいことで知られています。
大聖堂の内部では、ゴシック様式の建築物にとって独特の特徴である、まるで林のように感じられる柱が立っている大空間が見事です。その随所には彫刻が施されており、中でも棟梁であったアルトンピルグラムによって作られた「説教壇」、「オルガン支持台」は豪華で圧倒的な魅力があります。18の祭壇がありますが、その中でも一段と高い「ウィーナー・ノイシュタットの祭壇」は、多数の聖人像を施した荘厳な装飾が見どころです。
また、地下にある墓所である「カタコンベ」を見学したり、皇帝フリードリヒ3世が眠る墓なども見学することができます。