-
世界遺産に登録にもされているサンチアゴデコンポステーラの巡礼路は、信仰を求める巡礼者のための道ですが、歩くと元気になる、癒しの道でもあります。
今回休暇を利用し、2週間モアサック(フランス)からランスボー(スペインの国境の村)まで歩いてきました。距離にすると約360㎞です。
そんな旅、想像もできないという方が多いかもしれません。そこで、巡礼者の一日を紹介します。
まずは、一日に歩く距離を大体決めておきます。
私は、20㎞から25㎞を一日に歩くことに決めました。今いる場所から20㎞ほど先にある民宿(GITEといいます)を予約しておき、そこが次のゴールになります。
毎朝の出発は、約7時から8時。朝食をとったらさっそく歩き始めます。
夏は日中暑くなり体力を消耗するので、お昼前に距離を稼ぐと後が楽になります。
といってもどこを歩くの?
と疑問に思うかもしれませんが、フランス国内には、GR(グランド・シュマン・ド・ランドネ)というハイキングコースが規定されており、目印がついているので地図がなくても巡礼をすることができるのです。ちなみに、GR65がサンチアゴコンポステーラへ至るル・ピュイの道として規定されています。
目印は、赤と白のマークです。
平行に引かれているとまっすぐ進め。
道が違うとこのような×が現れます。油断していると、しるしを見ないで別の道に入ってしまうので注意が必要です。
後はひたすら歩きます。いろいろな道に出会います。
森だとか、
畑の隣だとか、
羊の群れの中だとか。
通過した村に小さな売店とパン屋があったら、サンドイッチ用にパン屋ハムを買っておきます。後は、草原を見つけて、おなかがすいたときにピクニックをします。
途中休憩を入れながら、6から7時間ほど歩くと、目的地に到着です。
予約した民宿が見えてきて、一安心です。ああ、やっと休める!歩いた後のシャワーはなんて気持ちがいいのだろう!幸せを感じます。
民宿の形態はさまざま。素泊まり、夕食+朝食付き。一人部屋、共同部屋などなど。また、経営母体も、キリスト教系アソシエーション、巡礼者友の会のボランティア団体、公営の民宿、私営の民宿などがあり、それによって値段が違います。今回泊った一番安い宿、素泊まり共同部屋で、10ユーロ。一番高かったのが、個室、バスク家庭料理の夕食、朝食、洗濯サービスがついて40ユーロでした。
今回は、UZANという村の民宿(食事つき)を利用しました。
利用者が少なく、個室でした。うれしい!
19時なるとほかの巡礼者とともに食事です。お家が農園なので、庭でとれた野菜で作ったポタージュスープ、地鶏などをいただきます。
同じ釜の飯を食う。見知らぬ人でも、言葉にある程度不自由があっても、すぐに友達です。
歩くペースが同じだと、次の宿でも一緒になることが多く、道ではたくさんの出会いがあります。
体も疲れているので、夜の9時には消灯。ぐっすり寝て、6時に起きる。なんて健康的な生活!
このような生活を続けていると、初めの数日は体のあちこちが痛みますが、それさえ越えてしまえば、体と心がどんどん軽くなっていくのを感じます。
どうです、歩きたくなってきました?
(渦)
サンチアゴデコンポステーラの巡礼路を歩いてみた
2015-09-28
最新記事